竹丘病院:東京都清瀬市・療養型病院

竹丘病院
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医療法人財団保養会広報誌 たけうま83号

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医療法人財団保養会広報誌 たけうま83号

vol.83巻頭言

今年ある方から頂いた年賀状に「コロナの意味を深めて、ご教示下さい 」と書い てありました。その問いかけは私の胸に重くのしかかりました。それまで私は老健た けおか・竹丘病院内にクラスターが発生したら大変だ、という程度にしか考えていな かったのです。 状況が長引くにつれて、人為的か自然発生的かという問題とは関係なく、新型コロ ナ感染症は何故発生したのか、その私たち人類に対する意味は何なのだろうと多く の人が考えざるを得なくなったと思います。自らの生活を省みている人たちもいるで しょうし、それどころでなく今日明日の生活をどうしようと苦しんでおられる人たちも おられます。 私にとって印象的なことは、新型コロナ感染症が世の中の不公平を一層際立たせ たということです。世界を見渡すと貧困層が富裕層より感染するリスクも死亡率も高 く、ワクチンも行き届きません。仕事も失い易く、自殺者も多いのです。すでに存し ている社会・世界の不平等を更に露呈させたといえます。 現在の人類は、視野を地球あるいはそれより大きく拡げることができます。それぞ れの人が地球の規模に立って、地球内で起こっていることを考え感じることができま す。地球は一つ、人類は(本当は地球上の生物も)一つです。やはり人類全体のこ とを自分の中に納め考えて、全体をバランスよくするにはどうすればいいか、「人間性」 の正義を実現するためにはどうすればいいかということを真剣に考えていかなければ ならない時が来ています。 これからは利他の心が大切だろうと思います。それは相手の思い通りに動くという ことではなく、相手の仕合せを願って行動するということ、全体のことを思って行動 するということです。草の根にこういう心が充満しないと、核兵器による戦争やテロ を防止することは難しいだろうと思います。私たち一人ひとりの生命を過去に辿って いけば、どの人も 30 数億年の昔に遡ります。一人ひとりの生命がいかに大切に培わ れてきたかということです。そのことだけ考えても(自然も含めて)大切にし合わな ければならない充分な理由があると思います。

医学の豆知識「消化性潰瘍」

消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)とは、 ストレス、アルコール、薬剤などの刺激による 胃、十二指腸の粘膜損傷(比較的浅い粘膜上皮の損傷は ” びらん ” と呼び、粘膜下層、固有筋層、漿膜に及ぶものを ” 潰瘍 ” と呼びます)。
消化性潰瘍の名前の由来は 1882 年 Quincke が ulcus pepticus(消化性潰瘍)を提唱し たものです。
1. 消化性潰瘍の原因 我が国に於ける消化性潰瘍の原因はピロリ菌(Helicobacterpylori)によるものが最
も多く、次に多いのが消炎鎮痛薬(特に非ステロイド系消炎鎮痛薬 : nonsteroidal anti-
inflammatory drugs;NSAIDs)によるものです。
1)ピロリ菌は 1983 年 Warren&Marshall により分離・培養された菌でウレアーゼという酵素を持っていて粘液中の尿素を分解しアンモニアを産生します。このアンモニアには粘膜 を障害する作用があります。他にピロリ菌の関与する疾患には萎縮性胃炎、胃過形成性 ポリープ、胃 MALT リンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病などがあります。
ピロリ菌感染者は年齢とともに増加し 70 歳では 60% 位になりますが、衛生環境の改善 と共に感染は減少しています。
2)非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)は解熱、鎮痛、炎症を抑える目的に使用される薬 物ですが、これらの薬物には胃の粘膜を保護する物質(プロスタグランジン)を抑制する 作用があり、粘膜防御機能が低下します。
2. 好発部位 胃は胃体部(胃体上部、胃体中部、胃体下部)、胃角部、胃前庭部に分かれますが、ピロリ菌によるものは胃体部、薬物によるものは胃前庭部に好発します。
3. 高齢者と消化性潰瘍 高齢者はピロリ菌感染率が高く、腰痛、膝関節痛などに対する消炎鎮痛薬の内服。心疾患、脳血管障害に対する抗凝固薬、抗血小板薬を服用している人も多いのでリスクが高くなります。

車椅子の介助のとき

質問:親の足腰が弱り、車いすを利用することが増えました。
回答:車いすの介助は、声かけをしながら動作をゆっくり確実に行いま 回答 しょう。車いすの介助は介助者と被介助者が言語外のコミュニケー ションを取りづらい状態にあります。そのため、こまめな声かけが重要です。また、座っている被介助者はスピードを感じやすいことからいつもよ りもすべての動作をゆっくり行うように心がけましょう。 車いすの介助中は、以下のようなポイントに注意しましょう。
○動作のたびに声かけを行い、体調の変化を声掛けで確認する。 ○移動時以外は必ずブレーキをかける。 ○急発進、急カーブ、急停止などはしない。 ○移動中は、手や足を巻き込んだり挟んだりしないよう、常に確認しながら介助
する。 ○傾斜や段差、溝などがある場所、砂利道、砂地などはできるだけ避ける。 ○曲がり角では、大きく膨らみながら曲がる。 ○一人での介助が難しい急な傾斜、段差などの場面では、無理をせず周囲に助け
を求める。 ○外出の際には被介助者の気分や体調を聞き、無理のないようにする。 ○寒い時は、保温のためひざ掛けなどを用意する。 ○被介助者の身体が麻痺側に傾いてしまうときは、クッションなどを入れて姿勢を調節する。 ○介助者の腰痛など体調不良を防ぐため、無理な姿勢にならないよう気をつける。
車いすのシートや背もたれは、一般的に硬めの素材で作られていますが、長時 間座ると腰を痛めたり、お尻に床ずれができたりする可能性があります。こまめ に休憩をとり、身体に負担をかけないようにしましょう。被介助者の身体への負 担を減らすため、クッションを腰に当てたり、座面に身体が滑らず体圧を分散し やすい低反発マットを敷いたりするのも良いでしょう。また、車いすは定期的な メンテナンスも重要です。ブレーキやタイヤの状態を定期的に確認し、パンクな どはあらかじめ修理しておきましょう。
(病院リハビリテーション科)

夏野菜のカレーにゅうめん

夏を満喫!夏野菜のカレーにゅうめん
暑い夏が来ましたね。日本の夏は高温多湿。体温を一定に保とうとしますが、上手く調節出 来ない、必要以上にエネルギーを消費=だるい・疲れやすい。暑くて眠れず睡眠不足、食欲 なくし栄養不足=夏バテ。皆さん経験ありませんか? 食事では、タンパク質・ビタミン・ミネラルが不足しやすいので、積極的に摂るようにしましょう。
・身体の余分な熱を取る:夏野菜(トマトやきゅうり)などを摂る。 ・疲労回復効果:ビタミンB群、中でもビタミンB1(豚肉・ウナギ)を摂る。 ・食欲増進効果:香辛料やレモン、梅干しといったクエン酸、茗荷やシソなどの香味野菜を摂る。
今回は食欲がない時でも食べられる夏野菜のカレーにゅうめんをご紹介致します。去年に引 き続き、感染症対策をしながら暑い夏を乗り切りましょう!
〈作り方〉
1. トマト以外の野菜と鶏肉を食べやすい大きさに切る。
2. フライパンでサラダ油を熱し、鶏肉を入れて色が変わるまで中火で炒める。 3. 2に野菜を加えて炒める。
4. 野菜に火が通ってきたら麺つゆ、水を加えて沸騰させる。
5. 一度火を止め、カレールゥを入れて混ぜる。
6. ルゥが溶けたら再び加熱しにんにくをすりおろして煮立たせる。
7. そうめんは茹でて水気を切り、お皿に盛付けたら上からカレーをかける。
8. 上にローリエ、刻んだトマトをのせて完成。 ★ローリエ、トマトは一緒に煮込んでも美味しいです。 ★残ったカレーやレトルトで代用しても◎。

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